「藤田、お前いってこい」入社3年目に、たった一人で行くことになったのは人生初の海外拠点。上海と言えば、世界有数の経済都市。そこでの私はきらびやかな夜景に見とれる…訳でもなく、現地工場の中で悪戦苦闘していました。
ステージにメモリや文字を刻印するマーキング装置の製作。それは想像以上に繊細な世界です。ほんの少しでも誤差があれば、そのまま不良品に直結する。ミリ単位、ミクロン単位で気が遠くなるほどの調整を行い、それでも完璧になるかどうか。私はマーキングをするレーザーマーカーの位置合わせを担当していたのですが、正確に行うには印字に合わせて何十種類ものデータ入力が必要です。アプリケーションに要した時間は日本で丸々一ヶ月。さらに、現地上海で一週間かけて検証を続けました。工場は想像以上に環境が悪く、検査スペースに振動があったり、ステージが安定しなかったり、しかも言葉が伝わらないから通訳頼み。今振り返れば、ずいぶん無茶な仕事でした。不安で眠れない夜もありましたね(笑)。ただ、今、振り返ってみれば、この時の経験が、今の私にとって大変貴重なものでした。条件が悪くても、言葉が通じなくても、現場が納得できるものが作れる。それは、技術者として大きな自信になりました。
次は全く未経験の技術に挑戦したいですね。画像による検証システムとか、すごく興味があるので今度上司に相談してみようと思います。
- 2007年入社。ステージを駆動させるコントローラ制御ソフトの改良、コントローラなど電機系の製品に関するお客様からの問合せや故障品の修理を行っている。