中国に赴任して2年。技術サポートの立場で、お客様と話をしながら感じるのは、中国市場に対する大きな可能性です。中国には世界中の様々なメーカーの生産工場が集まっていますが、内実はまだまだ手動の生産設備。しかし、ここ数年の人件費の高騰により、生産工程の自動化が急務となっています。最近の家電などの構造は緻密さが増しており、組み立てはミクロン単位の精度。当然手作業では対応し切れず、私たちのステージが活躍する訳です。ただ、ステージは生産工程の一部分。現場での擦り合わせが非常に重要なのですが、これがまた大変な作業…。中国ではドライな考えをする方が多く「お金を払ったから要望通りできて当たり前だ」という意識が根底にあります。しかし、新しい設備を追加する際には不具合が日常茶飯事。以前、デジタルカメラの組み立てを請け負う会社の案件では、提案から量産まで2年の歳月がかかりました。その間、調整をくり返す訳ですが、そもそも“できる”定義が違うため、意見の食い違いが激しく、精度を出す以前の意識調整が一番大変だったことを昨日のことのように思い出されます。
毎案件トラブルはつきものですが、ここでの仕事が、自分を大きく成長させたことを実感しています。技術力だけではなく、お客様との折衝力や調整力といった人間力も鍛えられました。今度はプロジェクトを管理するなど、新たな領域にも挑戦していきます。
- 2007年入社。2011年から中国に赴任し、営業サイドの技術担当として、既存製品の販売促進や、装置提案、仕様とりまとめ、設計開発サイドへのインプットなどの業務を行っている。